2024年秋に収穫した青森県産米「まっしぐら」の玄米60キロが2万5000円超え。こうしたコメの価格高騰を背景に、農林水産省は備蓄米を21万トン放出すると発表しました。

3月下旬にも店頭に並ぶと見られていますが、県内の関係者は期待とともに主食の変化も指摘します。

農林水産省はコメの価格高騰を受け、備蓄米全体の2割にあたる21万トンを市場に放出すると発表しました。茶碗にすると32億杯分です。

江藤 拓 農林水産大臣
「流通が滞っているこの状況を、なんとしても改善したいという強い決意の数字だ」

流通の円滑化を目的に備蓄米を放出するのは初めてで、まず15万トンを放出し、その後は市場の状況などを見ながら追加する考えです。

14日に青森市内でコメを販売する店舗を訪れると、店舗側・購入側ともに価格低下への期待が聞かれました。

利用客は
「2、3年前(の価格水準)までは下がらなくていいですけれども、10kgで1000円分くらい下がってくれれば、ちょうどいいのかなと思っています」

ハッピードラッグ青森浜館店 逢坂晋一郎 店長
「もう少し(備蓄米放出の)タイミングが早ければ、販売店としては、とても助かったかなと思っています」

店では10kg・6000円代で販売していますが、販売価格を抑えるために、秋田県産といった県産米以外を入荷するなど工夫をしています。

一方で、コメの価格の高騰が長期化したことで、販売数も減少。
代替えの食品が売れていて、主食に変化が生じているようです。

ハッピードラッグ青森浜館店 逢坂晋一郎 店長
「コメ以外の『パン』や『うどん』、『パスタ』などの主食が移り変わっていて、好調になっています。例年に比べて『お餅』も好調になっています」

放出される備蓄米は2024年産と23年産で、3月下旬にも店頭に並ぶと見られていますが、一部ではすぐに価格低下にはつながらないとの見方も出ています。