幻の高級魚を陸上で養殖しようという取り組みです。
宮崎県都農町では、新たな地域ブランド品をつくろうと高級魚の陸上養殖の試験を行っていますが、13日、その報告会がありました。

高級魚の陸上養殖は、都農町がNTT東日本とNTT西日本、それに岡山理科大学と連携して取り組んでいるもので、去年3月から、町内の養殖場で幻の高級魚と呼ばれるハタ科の「タマカイ」とタマカイと高級魚クエをかけ合わせた「クエタマ」の試験飼育を行っていてます。

13日は中間成果報告会があり、出荷サイズまで成長したタマカイがお披露目されました。

気になるお味は・・・?

(垣内沙耶記者)
「タマカイいただきます。噛めば噛むほど甘味が出てとってもおいしいです」

都農町では、水槽で海水を使わずに養殖する「完全閉鎖循環式」の陸上養殖に取り組んでいて、水槽には、海水の中から魚の生育に適した成分に絞り込んだ「好適環境水」を使用。

試験飼育では高い生存率が確認されたほか、タマカイは養殖での一般的な成長速度のおよそ3倍、クエタマもおよそ2.3倍で、生産性の高さが確認されたということです。

この方法で「クエタマ」や「タマカイ」の養殖を成功させたのは、世界で初めてだということです。

また、今回の試験飼育では、NTT東日本のICTを活用していて、経験のない飼育員でも養殖することができます。

(飼育を担当 三輪将也さん)
「人間の手がかからないので、自分のような素人でも、日々の点検さえ怠らなければ、簡単に飼育できるのではないかと感じました」

(都農町 坂田広亮町長)
「都農町の漁業も、漁業者が減ってきております。その上で、陸上養殖を起点に、今までのような活気を継続して持っていただきたいというのが一番です」

都農町は今後、およそ40トンの水槽を導入して量産体制を構築するとともに、水産物の加工施設を設けて、新たな地域ブランド品の商品化を進めていくことにしています。