名だたる文豪に愛された東京の老舗ホテル「山の上ホテル」が老朽化に伴い、あすから休業します。最後の営業日のきょう。宿泊客らが、思い思いの“忘れられないエピソード”を聞かせてくれました。
川端康成。三島由紀夫。名だたる文豪たちが定宿にし、執筆活動をした「山の上ホテル」。
千代田区のJR御茶ノ水駅近くの高台に佇むホテルについて、三島由紀夫はこう評しています。
「東京の真ん中に、こういう静かな宿があるとは思わなかった」
記者
「こちらのロビーでは、多くの文豪たちの作品が完成することを、出版社の編集者たちが待っていました」
こちらは三島ファンの男性。高嶺の花だった「山の上ホテル」に、きのう初めて宿泊できたとちょっと興奮気味です。
最終日の宿泊客
「三島由紀夫が好きなので一晩ゆっくりと『金閣寺』を読みながら物思いにふけっていたら、気づいたら朝という。寝ていないです、興奮しちゃって」
文豪とホテルがつないだ縁は、ほかにも。
24年前に挙式の夫婦
「24年前にここで結婚式を挙げました。小説家に興味があってずっと知っていたので、それで(式場を)ここにしました」
さらにこの男性はかつて9年間、ベルボーイとして勤務し、ある作家と“忘れられない出会い”があったと語ります。
元ベルボーイ
「先日亡くなった伊集院静さん。原稿を取りに行ったり貴重な経験をさせていただいた」
直木賞作家の伊集院静さんも「山の上ホテル」を愛したひとりです。
元ベルボーイ
「退職する際にご挨拶に伺って、伊集院さんが書いた本もいただき、そこにメッセージを書いていただいて、今でも家に大切に保管しています」
今後について支配人は、「全く決まっていない」としながらも、「再開したとすれば、また山の上ホテルらしいおもてなしを提供したい」としています。
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