今回の記録的な大雨について、専門家は、線状降水帯の発生こそなかったものの、それに“匹敵”するような雨の量になったと分析しています。
気象学が専門の東北大学の伊藤純至准教授は、宮城県のすぐ南側で、前線上に小さな低気圧が発生したことが、記録的な雨量につながったととらえています。
東北大学・伊藤純至准教授:
「ここにスケールの小さい低気圧がありまして、低気圧の周りを反時計回りに流れ込む風の場ができています。
この低気圧の北側では東風になっていて、暖かく湿った空気が宮城県に入り続けるという状況になっていました。
宮城県に入ってくる空気は、陸地や山脈で強制上昇させられて雨雲が発達し、そういう状況が続いたため、記録的な大雨になったと考えています」
また、県内には線状降水帯の条件の一つである、3時間で▼100ミリ以上の雨量を観測したエリアが、一定程度広がっていたと分析しています。

東北大学・伊藤純至准教授:
「この図は降水域を示しているんですが、強い降水があった領域は線状にはなっていないので線状降水帯ではないんですが、線状降水帯に匹敵する雨量にはなっていたと」

伊藤准教授は、「梅雨明けが発表されたものの、現在は梅雨末期のように本州付近が大雨になりやすい気圧配置になっていて、来週にかけてもこうした状況が続きそうだ」と話しています。