長野県内の高校で唯一、美術科があるのが、松本市のエクセラン高校です。

美術科の3年生にとっては集大成となる卒業制作展が、市内の美術館で行われています。

卒業制作展のテーマは「泥中(でいちゅう)に咲く僕ら」。

エクセラン高校美術科の3年生10人が、3年間の模索を経て最後には大輪の花を咲かせる、そんな思いを込めた制作展です。

会場には油絵や彫刻、デザイン画など、およそ100点が展示されています。

日野奈菜花(ひの・ななか)さんの油絵は、「優しい場所」がテーマ。

小さい頃によく遊んだという近所の花畑がモチーフです。

日野奈菜花さん:
「自分の今まで過ごしてきた場所だったり、そこが居心地がいいと感じた場所の空気とか湿度とか温度とか、見る人にも感じていただけたらなというテーマで制作しました」
「満足のいくものを造れたと思います」

水上朝日花(みずかみ・あすか)さんの作品は、「空」がテーマ。

12か月それぞれの月の空を水彩画で描き、カレンダーに仕上げました。

若林未来(みく)さんの制作テーマは「青にキセイ」。

自分が青に包まれていくような感覚と3年間の想いを作品に込めたと話します。

若林未来さん:
「私あまり写実が苦手でデッサンとか本当に苦しかったんですけど、忍耐力もついたのでいいことばかりだったなと思っています」

また、全員がそれぞれの専攻ごとに制作したのが「自画像」。

絵画や彫刻のほか、自叙伝風だったり、名刺にしたりと、3年間で身につけたテクニックを駆使して制作しました。

エクセラン高校美術科の卒業制作展は、12日まで松本市美術館で開かれています。