日本一の生産量を誇る香川県特産の黒松盆栽。EUへの輸出が解禁されるなかアメリカへの輸出解禁に向けた動きが進んでいます。黒褐色の樹皮の割れや太い幹など黒松盆栽はその堂々とした姿から松盆栽の王者と言われています。検疫の関係から近年まで欧米への輸出はありませんでしたが、2020年にEUへの輸出が解禁されたことでアメリカの愛好家からの関心も高まっているといいます。

(香川県盆栽生産振興協議会 尾路悟会長)「日本は盆栽の国だから愛好家が多いと思うでしょう。アメリカとかカナダとかヨーロッパに全然負けてるんですよ」

昨年7月、尾路さんたち松盆栽の生産者で作る団体は、香川の盆栽文化の発展のため黒松盆栽をアメリカへ輸出しようと検疫課題の解消を香川県と高松市に要望しました。それを受けて県と市は先月25日、黒松盆栽の輸出解禁を農林水産省に働きかけています。

(池田豊人香川県知事)「輸出の解禁協議を行っていく品目リストというのは政府でまず決めてその中から優先的に協議していく。このリストに早く載せてもらえるように引き続き高松市と一緒に働きかけを強めていきたい」

EU向けの松盆栽の出荷量は前の年度に比べ大幅に増えて昨年度約4000本。その3割が黒松です。検疫などの課題はありますが、黒松盆栽がアメリカに渡る日が来るのか。産地は大きな期待を寄せています。