事件直前に交際解消も…被告が復縁迫ったか

事件現場(堺市西区)


取り調べでの被告の供述や、目撃情報、遺体の状況などから、検察官が考えている事件の構図はこうだ。

山本被告と大田さんは事件の2年前から交際し、同棲もしていた。しかし、大田さんが別の男性と外泊したことが、事件の1週間前に発覚。いったんは被告から別れを切り出し、関係を解消した。

しかし事件当日、山本被告から復縁を求める。携帯電話に残る履歴では、被告が大田さんに「すきすきす」「結婚ぬ」「会いたいよ」「好きだよ」(いずれも原文ママ)などのメッセージを送り、大田さんが「別れてるんやからそんなこと言わないで!」と返信したことが確認されている。

その日の夜に被告は、“置いていたスーツを取りに行く”という理由で、大田さんの自宅(集合住宅4階)を訪れる。

そこで感情が爆発した山本被告は、キッチンにあった包丁で大田さんの両脚を切りつけ、右𦚰腹を刺した。大田さんは逃れようとして、4階ベランダから飛び降りる。

山本被告は集合住宅の階段を駆け下り、仰向けに倒れていた大田さんに馬乗りになり、包丁で胸を複数回刺した。刺し傷は心臓や肺に達し、大田さんはその場で失血死した。