逆告訴を受理 警察は相応の事実があると見ている可能性

伊東選手はなぜ、逆告訴をしたのでしょうか。河西邦剛弁護士によりますと「一刻も早い名誉回復」と「今後も現役生活を続けていくため」なのではないかと言います。
河西邦剛弁護士:
最近多くみられるのは、週刊誌を相手に名誉毀損で訴えるという流れです。しかしこのような裁判は長い期間が必要になります。
今回、伊東選手が行った告訴のポイントは、警察が受理したことです。よく相手側に牽制をする意味で「告訴するぞ」と言うことはありますが、弁護士の経験則で話をすると、告訴状の受理は、なかなかハードルが高い。
警察は受理をすると、書類送検をしたり、それに合わせて捜査をしなければならない義務が生じます。今回、伊東選手の告訴を受理したということは、警察はそれ相応の事実があると見ている可能性があると思います。
井上貴博キャスター:
日本サッカー協会も難しい立場にいると思われます。性被害は心の殺人ですので、あってはならないことです。一方で、虚偽によって、人をおとしめることも、著名人の場合は世間から抹殺されてしまうので、これもあってはならないことです。
伊東選手は限られたサッカー人生のなか、現在、日本代表選手としてビックトーナメントで戦っています。チームの仲間、スポンサーもどう判断するのか、日本サッカー協会としても悩ましいところではないでしょうか。

河西邦剛弁護士:
女性側の告訴の内容について、伊東選手側はかなり事実と異なると言っています。そして警察は伊東選手側の告訴を受理しています。
しかし、日本サッカー協会は2日、伊東選手の日本代表離脱を発表しました。これについて協会は週刊誌報道を鵜呑みにしたのかどうか経緯はわかりませんが、メンバーから外すことについては慎重になる必要があるのではないかと思いました。
産婦人科医 宋美玄さん:
週刊誌に告発するという例はありますが、今回女性側は刑事告訴をしました。どのような意味があるのでしょうか。
河西邦剛弁護士:
報道の中では示談交渉が続いていたけれども、このタイミングで告訴したということですが、意図としては正直わかりかねるところはあります。
井上キャスター:
詳細がわからないので何とも言えませんが、書く側(週刊誌)と書かれる側(著名人)のリスクがあまりにもつり合っていないのではないかと感じます。
書かれる側の著名人は影響が甚大です。一方で書く側は裁判で名誉棄損になったとしても、数百万円の慰謝料で済んでしまいます。これでよいのでしょうか。
河西邦剛弁護士:
まさにおっしゃる通り、週刊誌がこれだけの報道をすれば日本代表から外れてしまったり、場合によっては数千万、数億円単位の損害が出ることは予見できる可能性があります。もし、伊藤選手側が週刊誌を訴えた場合には、数億円単位の、損害賠償請求が認められる可能性は出てくると思います。