国連職員のテロ関与受け資金提供を一時停止する国も

藤森キャスター:
200万人の支援というのは世界各国によって支えられていますが、既に日本を含めアメリカ、イギリス、フランス、ドイツなどは、今回の件が明らかになったことで、資金提供を一時停止することを決めました。
一方で、ノルウェーなどは「極度の人道的苦境にある何百万人ものガザの人々は緊急の支援を必要している」という判断で、資金提供を継続する。このように各国の対応がわかれています。

須賀川 記者:
この話を聞いてる方は、パレスチナやガザ、UNRWA、イスラエル、ハマスなどいろいろな主語が出てくるんでわかりづらくなると思いますが、これは非常にわかりやすいんです。
このUNRWAという機関は、ガザの人たちを支援しています。UNRWAというのは、世界各国の支援金がないと、もちろん運営できません。従って、このわずかな人たちの関与によってこの云々は世界各国の資金の提供が滞ってしまうと、結果的に、イスラエル側と世界各国側が、パレスチナ、ガザの200万人に対して集団的懲罰を加えているに等しいことになってしまいかねない。
小川キャスター:
ハマスのテロに職員が関与していた疑い、というのは看過できないものではありますが、UNRWAというのはなかなか報道機関も入っていけない、なかなか直接の支援ができないガザに対しての唯一と言っていいほどの窓口なわけですよね。
これが機能しなくなる可能性があるという、こうした事態になっているわけですよね。

東京大学准教授 斎藤幸平 氏:
非常に深刻ですよね。この間、イスラエルに対する風当たりというのが非常に強くなってきていて、南アフリカが国際司法裁判所に「イスラエルがやってることはジェノサイドだ」という訴えをして、実際、先週には暫定措置命令でイスラエルに対してそうした行為をやめるように、という命令が出たばかりなんですね。

そうした中でガザにおける人道危機を、さらに加速させるような動きが出ていることを非常に懸念しています。
既にガザの人たちが追い込まれている中で、「飢餓作戦」という武器をイスラエルに使わせてはいけないと思いますが、日本政府も含め世界各国の政府が、いまイスラエル支援として、UNRWAの支援をやめてしまうのであれば、これはガザで暮らしている人たちにとっては、「死ね」と言ってるのと同じなんですね。
つまり、日本政府も含めて、このジェノサイドに加担していることになりかねない。なので、やっぱり日本政府には、本当にもう1回判断を再考してほしいというふうに思います。
小川キャスター:
しわ寄せはいつも必ず何の罪もない市民や子供たちに向かってしまうというところ、これは心に留めておかなければなりません。