ミャンマーの軍事クーデターからあすで3年。圧政を続ける軍ですが、実は“逃亡兵”の急増を背景に、追い込まれつつあります。先月、逃亡してきたばかりの兵士がJNNの取材に内情を明かしました。
2021年2月のクーデター以降、軍に対する武装闘争が全土に拡大しているミャンマー。軍と少数民族や民主派勢力との間で激しい戦闘が続いていますが、ある異変が。
敷地に集められた兵士たち。うなだれた様子で座り込む人もいます。
現地メディアによると、北東部シャン州ではこの数か月間で6000人を超えるミャンマー兵が抵抗勢力側に投降。
インド軍司令官
「これまでに416人のミャンマー軍兵士が徒歩で国境を渡りました」
インドやタイなど近隣国に逃亡する兵士も急増しているというのです。
JNNは、タイの国境地帯に先月逃げてきたばかりの兵士に話を聞くことができました。北部の州の部隊に所属し、前線で戦っていたという男性。
ミャンマー軍“逃亡兵”
「私は軍人としての生き方に嫌気が差しました。国民に銃を向けて戦うことを申し訳なく思い、普通の人間に戻りたかったのです」
軍は空爆などで集落を焼き払う無差別攻撃を繰り返し、民間人の死者は少なくとも4400人にのぼります。
男性も村を標的にロケット弾を発射するよう命令されたと話しました。
ミャンマー軍“逃亡兵”
「上官からの命令に逆らうことは絶対に許されない。でも、戦闘が終わって一息ついたとき、自分のことがとても情けなくなったんです。本当は撃ちたくなかった」
情勢が変わったのは去年10月。抵抗勢力側が各地で一斉攻撃を開始し、前線基地など500か所以上を占拠しました。徹底抗戦を指示していた指揮官でさえ、相次いで投降しているといいます。
ミャンマー軍“逃亡兵”
「今の軍にはこれまでのように戦う力はなく、兵士たちの間で恐怖心が広がっています。軍に対する国民の敵対心も強くなっているので、軍は勝てないと思います」
軍は追い込まれているのか。専門家は「非常に脆弱な状態だ」と指摘しますが。
ミャンマー戦略・政策研究所 アウン・トゥ・ネイン氏
「国民の支持を得られず兵士は(戦闘長期化で)過度のストレスを抱えている。軍は非常に脆弱な状態です。しかし、軍には長い歴史があり、抵抗勢力が短期間で軍を倒すことは難しいでしょう」
ミャンマー軍トップはきょう、抵抗勢力の制圧を目的に「非常事態宣言」を延長するとみられますが、“政治的な解決”として対話の余地もほのめかしていて、次の出方が注目されます。
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