映画『ファインディング・ニモ』でおなじみのカクレクマノミ。小さな熱帯魚で、水族館や家庭で観賞用のペットとしても人気が高い魚です。実はこのクマノミは成長する過程で性転換をする個体で、共に生活をするグループの中で最も大きな個体のみがメスとなり、帯模様が1本増えて3本になるという特徴を持っています。

カクレクマノミについて、さらに驚きの能力が明らかになったと、沖縄科学技術大学院大学(OIST)がこのほど研究結果を発表。その内容とは「カクレクマノミは帯模様の数を数えることができて、住みかのイソギンチャクへの侵入者の種類を認識している」として高い認知力があるというものです。

人気の観賞魚「クマノミ」の知られざる特徴

カクレクマノミは自然の中ではイソギンチャクを隠れ家として生活しています。クマノミはイソギンチャクに身を守ってもらい、イソギンチャクはクマノミが食べ残したエサを食べるといった共生関係にあります。

1株のイソギンチャクにはメス、オス、幼魚の数匹で暮らす中、同じ種類のクマノミが侵入してきた場合、侵入者に噛みつき、侵入者を追い払う習性があるといいます。

沖縄科学技術大学院大学(OIST)の林博士らはカクレクマノミがどのようにして侵入者の種類を判別するのかを明らかにするために、▽実験対象のカクレクマノミがすむ水槽の中に、白い帯の数が異なる個体が入った別の水槽をいれ、クマノミがどれくらいの頻度や時間、警戒するかを観察。▽クマノミに似せた模型を見せ、どの程度攻撃するのかの2つの実験を行いました。

その実験結果について林希奈博士は次のように説明します。