これまでにも発言を幾度となく撤回してきた自民党・麻生副総裁。上川陽子外務大臣への発言が、また波紋を広げています。
一方、上川大臣を褒める発言もしていました。その背景には何があるのでしょうか。解説です。
星浩さん「党内から批判がないことが自民党の惨状を表している」
小笠原亘キャスター:
“麻生節”が物議を醸しています。
これまでの発言を確認すると、このような発言がありました。

2019年、少子高齢化問題について「年寄りが悪いみたいに言っているが、子どもを産まなかったほうが問題」と発言。
2020年には、新型コロナの死者数が海外と比べて日本が少ないことを「国民の民度のレベルが違う」と言いました。しかしこの時は、麻生さんとしては「強制力のない外出自粛要請で感染拡大を抑えられているということを日本は誇るべき、という意味だった」と釈明をしているということです。

今回問題になった発言は1月28日、麻生さんの地元・福岡で行った講演でのことです。上川陽子外務大臣の外交手腕を評価する文脈のなかで発言があったわけですが、まず上川を「カミムラ」と、名前を間違えました。
その後、日本では「女性の外務大臣は例が過去にない」と言いましたが、これは事実誤認です。実際に小泉政権下では田中真紀子さん、そして民間の川口順子さんは環境大臣から外務大臣を歴任したことがありました。
そして「俺たちから見てもこのおばさんやるね」「そんなに美しい方とは言わんけれども」と、いわゆる年齢や容姿に関することを言ったわけです。
この発言についてSNSではこのような反応がありました。

「全くもって人の気持ちを考えて行動出来ない人」
「女性を仕事ではなく容姿で評価し、男性より下に置きたいのが滲んでいる」
「暴言をまた『麻生節』と言うが、いい加減ちゃんと批判すべき」

まさにTBSスペシャルコメンテーターの星浩さんも、「党内から批判がないことが自民党の惨状を表している」と言っています。
ホラン千秋キャスター:
どうでしょう、色々と突っ込みたいところはある気はするんですけれども。

元競泳日本代表 松田丈志さん:
名前や事実を間違うことも問題ですけれども、人として、僕らもそうですが、どうしても間違ったことを言ってしまう、事実と違うことを勘違いで言ってしまうことはあると思います。
しかし年齢とか性別を、ある意味ネタにして、会場に笑いを取るような感じで言っていましたが、やはりそういうのは絶対ダメだなと思います。もう一つ感じたのは、我々も“麻生節”を「麻生さんだからもうしょうがないよね」みたいに認めてしまうのは、全くもってダメだなと。
星さんが言うように、党内からも「麻生さん、そういうのはダメでしょう」と、ちゃんと言ってほしいなと思いますね。
ホランキャスター:
容姿に関しては、褒めていても適切でないと言われていますので、それを逆の方向に行くのはもってのほかだと思います。
ただ、私たちも考えてみますと、女性の政治家の方にお会いするときに、どんな服装をしているのか、髪型をどうするのかでしたり、たとえば総裁選や選挙に向けて、そういったところを注目してしまうところがあります。
やはり全体として、容姿うんぬんというよりも、どんな心情で仕事をされているのか、政治家として頑張っているのかというところを注目しなきゃいけないなと自戒を込めても思います。あとは“俺たち”が何を指しているのかなとか、気になるところはたくさんありますよね。
日比麻音子キャスター:
評価しているのにもかかわらず“俺たち”とは何なのか?容姿に関して言う必要があったのか?これは不必要だったと思います。