非接触の時代になっているはずなのにということですが、大阪府や全国で急増している「梅毒患者」。性行為など粘膜や皮膚の接触で感染するもので、放置すると脳や心臓に深刻な影響を及ぼす可能性もあるといいます。コロナ禍で人との接触が制限されている中、大阪では特に『20代の若い女性の患者』が増えているといいます。大阪公立大学大学院・城戸康年教授にその実態について詳しく話を聞きました。
全国で見ると梅毒患者数は、今年7月3日までに5615人、前年同時期比で1.6倍のペース、年間患者数が1万人を超えるペースです。そして大阪も前年同時期比で約2倍ペースで増えています。
梅毒とはどんな病気なのかというと、性行為など粘膜や皮膚の接触で感染するもので、感染後約3週間は感染した部位(陰部や唇そして口の中など)にしこりができ、リンパ節が腫れる。感染後数か月で手の平や体に赤い発疹ができるなどとされています。

---痛いとか痒いとかそういう症状はあるのですか?
「感染した部位にしこりとか粘膜の潰瘍みたいなものができると、多少の痛さはありますが、手の平に発疹が出るような程度では大きな不快感というのはあまり訴えられない人が多いです」

---ではわからないまま感染した状態で人にうつすこともあるということですか?
「はい、それはかなり多いです」
---放っておくと色んなリスクがあるんですよね?
「はい。例えば発疹がある程度であれば、そんなに大きな問題にはならないと思われがちですが、重要なのはそれが発展すると脳神経の中に入っていったり、あとは心臓の大動脈に大きな病気を起こしたりする。もう一つは若い女性が感染すると母子感染を起こして子どもに重篤な状態を起こすので、それは非常に心配される事態です」

---妊婦さんが感染すると、ということなんですね。血液検査して薬で治療ができる病気であるということですが、検査自体は負担の大きいものなんですか?
「いや、もう普通に血液検査は一般的に健康診断で行うものと全く同じですので、大きな負担なく検査できると思います」