能登半島地震では石川県内で多数の住宅に全壊や半壊などの被害が出ました。
現地調査を行った専門家は「耐震化していない古い住宅が多い」と指摘したうえで、住宅の耐震補強や定期的なメンテナンスを行うべきだと話しています。

東北大学災害科学国際研究所・柴山明寛准教授
「今までの災害とはちょっと違う災害。私自身十数回、国内外の災害を見てきたが、今回の災害はかなりひどい災害」

地震工学に詳しい柴山明寛准教授は、地震直後の今月4日から石川県穴水町と七尾市で調査を行いました。
元日に発生した能登半島地震では23日午後2時現在、石川県内で住宅の全壊や半壊、一部損壊が合わせておよそ3万8700棟に上っています。

東北大学災害科学国際研究所・柴山明寛准教授
「(能登半島地震の被災地には)建築年代が古い建物が数多く存在した。近年の災害に比べると数は多いというところは言える」

国の統計調査を基に作成した建築基準法が改正される前の1980年以前に建てられた戸建て住宅の割合。
全国の市区町村で最も割合が高いのは、今回の地震で甚大な被害を受けた珠洲市の67.4%です。
トップ5には能登半島の市町村が3つも入っています。
ここ数年、能登半島では地震が頻発していて、古い住宅へのダメージが蓄積したことにより大きな被害につながったと柴山准教授は指摘します。

東北大学災害科学国際研究所・柴山明寛准教授
「ダメージの蓄積というのは簡単に言うと、クギが抜けるとかボルトが緩むというような形。繰り返しの地震動によって、徐々に建物は弱くなっていく。大きな地震が来ると、今まで(倒壊せずに)もっていた建物が急に倒壊してしまう可能性もある」

能登半島の自治体は耐震基準を満たした建物の割合=耐震化率も低く、珠洲市では51%、輪島市では45%と全国平均の87%を大きく下回っています。

一方、宮城県は県全体で92%と全国平均を上回ります。
なぜ、能登半島の自治体で耐震化率が低いのか?
柴山准教授は背景には「高齢化」があり、宮城県にとっても共通の課題だと言います。

東北大学災害科学国際研究所・柴山明寛准教授
「やはり(被災地の)高齢化率は高い、若い人たちはやっぱり少ない印象はあった。若い人たちが家を引き継ぐというところが出来ないところも多く存在していて、新しい建物に切り替えるとか、耐震化をしようという気持ちに進まないのかなと思う。今回のこれ(地震被害)は社会問題にすごく近い」

今後、発生が予想されている宮城県沖地震では、県の予測で県内では揺れによる建物の被害が5000棟を超えると想定されています。
柴山准教授は住宅の耐震化はもちろん、日ごろのメンテナンスの重要性を指摘します。

東北大学災害科学国際研究所・柴山明寛准教授
「耐震化はもちろんした方が良い。ただし、耐震化だけでいいかというとそうではない。建物というのは地震によってどんどん弱くなってしまう。耐震化だけではなく日ごろのメンテナンス、大きな地震があったあとには工務店などに診てもらうということが必要になる」

自宅が1981年5月より前に建てられた木造戸建て住宅には「耐震診断」と「耐震改修」の補助を受けることが出来る制度があります。
補助額や制度は市町村によって異なりますので、お住まいの市町村に問い合わせてみてください。