災害時に避難所でペットを受け入れられるようにするにはどうすればいいのか、行政の担当者や獣医師らによる図上訓練が高知県南国市で行われました。

訓練は災害時における避難所のペットの受け入れ体制の整備につなげようと県や南国市の防災担当の職員や、県獣医師会のメンバーらおよそ50人が参加し行われました。図上訓練では参加者が8つのチームに分かれ、県や市の災害対策本部、そして避難所それぞれでペットの避難についてどのような対応ができるかが話し合われました。参加者からは「ケガをした避難者のペットを誰が代わりに世話をするのか」や、「ケージの確保をどうするか」が課題としてあげられていました。

このほかにも、避難所でペットが原因のトラブルが起きないように、避難所の敷地内にペット専用のスペースを設けるべきという意見もありました。

県によりますと、東日本大震災などでは避難所でペットを受け入れられなかったため車で過ごした避難者がエコノミークラス症候群になるなどしました。

(特定非営利活動法人ANICE 平井潤子さん)
「動物を飼っている方は高齢者や障がいのある人、いわゆる災害弱者もペットを飼っていて、ペットを連れて避難したいという気持ちがある。だからそれも含めどう受け入れるかというのを考えてほしいのと、それをしなかったらどうなるかということを想像しておいてほしい」

南国市のマニュアルでは避難所でペットを受け入れられる体制を整えるよう定められていますが、ペットのスペースを確保するケージなどは用意できていません。

(南国市危機管理課 野村学さん)
「避難所マニュアルも定めてますが基本的には屋外で避難する、ペットをおいておくという形になってますので避難者の方のニーズに応えていかに一緒の部屋で避難できるかなど今後マニュアルの中で再検討する必要があると思った」

県は「南国市だけでなく高知市など県内の様々な場所でこのような訓練を実施していきたい」と話していました。