母「本人も口には出さないけど、不安でいっぱいだと思う」

お母さんが願うのは1つだけ。
(母・千春さん)
「楽しく。『地震を忘れて』と言っても忘れないだろうけど、忘れて生活してほしいです。ただ楽しくいてくれればいい。行きたいよ一緒に。でもね綺麗にしなきゃいけないし、住まいも見つけなきゃね」
今は離れて暮らすことが一番いい選択だと信じる親子。
(母・千春さん)
「(Q.寂しくなりますか?)安心できるし、寂しくないかな、多分。行ってみないとわからん。初めての事なんでね」
(桜馬さん)
「(Q.桜馬くんはどう?)まあ、ちょっとだけ」

帰り道、能登の吹きすさぶ冷たい風が親子の足をはやめました。
この集団避難の理由の一つには、ライフラインの復旧が輪島市で進まないことがあります。
また、輪島市から約60キロ離れた七尾市でも震度6強の揺れを観測し、約2万世帯、市内全域が断水しています。


(七尾市 上下水道課・佐々木仁寛課長)
「漏水箇所が多すぎて、その対応に苦労している。マンパワーが足りない」
1月14日時点では名古屋市からも職員が応援に入り、30人態勢で復旧に当たっていました。
(名古屋市 上下水道局・平野芳茂さん)
「1000人規模の応援をもらって、復旧に当たらないといけないくらいの被害」

懸命な作業。しかし、いまも復旧の目処は立っていません。
(七尾市 上下水道課・佐々木仁寛課長)
「皆さんに水を届けられないことが私もつらい…すみません」

そして迎えた17日。集団避難の日です。
(桜馬さん)
「死ぬなよ」
(母・千春さん)
「死なん死なん。大丈夫。逃げます。
本人も多分口には出さないけど、不安でいっぱいだと思いますけどね」

午前9時すぎ。生徒たちを乗せたバスが出発しました。
(母・千春さん)
「本人も頑張るから私も頑張って、1回か2回くらい顔を見に行きたいな」
















