本島と橋がつながってからは赤字経営、存続の危機に

伊計島共同売店は、大正時代に、住民の出資で設立されました。

伊計島自治会 玉城正則会長
「伊計は与勝半島からは一番先だから、お互いが助けあわないと生活できない。そういう中心にあるのが共同売店」

伊計島では、住民が共同で売店やビーチを運営し、そこからの収入で区の財源を確保してきました。

しかし、1982年に伊計大橋が完成して以降、売店の経営は次第に赤字に。住民からは、売店の閉鎖や個人経営に切り替える案が寄せられるなど、存続の危機に陥っていました。

伊計島自治会 玉城正則会長
「大先輩がこんなして汗かいて作ってきたものを、赤字だから閉めようというのは、これは、先輩たちに申し訳ない。やっぱり努力もしないで閉めるわけにはいかない」

自治会長の玉城さんは、共同売店を存続させる道を探りたいと、有志の会の力を借りて、経営改善に乗り出しました。

マーケティング調査で、来客が少ない時間帯や曜日を割り出し、営業時間を見直しました。島の外から来る人のニーズを取り込もうと、店舗のレイアウトの変更や商品開発にも挑戦します。

伊計島自治会 玉城正則会長
「奥のほうが島の住民の生活用品、主に使っている。こちらのほうが観光客」

入り口付近の観光客むけのエリアには、伊計島でしか買えないような商品を配置しました。

その中心を担っているのが、島の麦です。自治会では6年ほど前から小麦の栽培を復活させていて、小麦粉だけでなく加工品も作っています。