エサを自給することの重要性を痛感した五味さんは、農家や役場の協力を得て町内に点在する耕作放棄地およそ10ヘクタールを借り上げ、牧草やトウモロコシの栽培に乗り出します。

さらに、高原に広がるキャベツ畑に目を付けました。

収穫が終わった畑に案内してくれたのは、キャベツ農家の細野哲(ほその・さとし)さんです。


細野さん:
「キャベツって作り続けていると連作障害、同一作物が作れなくなってくるんですけど、その間に挟む作物っていうのはどうしても必要で、普通の農家って自分でやるんですよね、麦をまいたりトウモロコシ作ったり。それをむしろ瑛介さんにやってもらうというか、お互いの利益のために同じ土地を一緒に使うというような形をとっています」


英介さん:
「最初は空いてる畑ありますかって聞いて、あと、えん麦とかライ麦、まいてらっしゃるんで、牛が食べれそうな緑色の草が生えてて、これってどうするんですかみたいな」

こうした取り組みで、牧草やトウモロコシなどの飼料の9割を賄えるまでになりました。

それまで接点のなかった酪農家と野菜農家。

地域の中で助け合うことが苦境を乗り越えるヒントだったと五味さんは感じています。