昨シーズン国内男子ツアー賞金王に輝いた23歳の中島啓太。ツアー本格参戦1年目で3勝を挙げ、ツアーの表彰では6冠を達成する等、日本ゴルフ界の最注目のプレイヤーとなった。米PGAの公式サイトでは2024年シーズン注目の24歳以下選手の一人にも選出された。大会中はポーカーフェイスで感情を表に出さない中島だが、その理由と意外すぎるトレーニングを取材した。

バレーボールコートで躍動する賞金王

カメラが捉えたのは体育館でバレーボールコートで躍動する中島啓太だった。

華麗にバレーボールのスパイクを決める中島啓太

プロ顔負けのスパイク、ブロックを連発したかと思えば、ゴルフ場ではポーカーフェイスの中島が、大きく声を張り上げ、コートを駆けずり回る。

大会中は見られない声を張るシーン

晋段のプロゴルファー中島が見せない笑顔でバレーを楽しむ。
中島啓太:
こんなに声を出せるスポーツは無いですし、普段ゴルフで声を出さないので違う感覚で楽しんでいる。(きっかけは)2020年コロナ禍の時、試合があまり無くて体を動かすタイミングが少なくなった時に、叔父のチーム(地元・埼玉県のチーム)に呼んで貰い、それからはまってしまって。息抜きになっていますし、リフレッシュ出来る環境がありがたいのと、皆がゴルファーとして扱ってくれない事が逆に心地良いですし、皆が家族みたいな感じなので、本当に幸せな環境です。

ポーカーフェースを意識する中島啓太

他競技に取り組むのは身体を動かす目的だけではない。ポーカーフェイスの理由も明かしてくれた。
中島:
全然体の使い方は違いますけど、リフレッシュの場として上手く使わせてもらっていますし(シーズン中も)試合の合間にバレーが出来る事で気持ちを落ち着かせてゴルフが出来ている。実際(自分は)喜怒哀楽激しいですし、相手が目の前にいて戦うスポーツなのであまり感情を出さずに強い選手を目指してゴルフをしている。

“石川祐希モデルサポーター”を着用

とことん楽しむのも中島流だ。
中島:
サポーターは絶対に買おうと思って、スポーツショップに行って石川祐希選手モデルの一番かっこいいモデルを選びました。

憧れの巨人・菅野投手と合同トレーニング

既に新たなシーズンに向けて始動している。以前よりアスリートとして勉強になるとプロ野球、巨人・菅野智之投手(34)の動画やドキュメンタリーを視聴していた。もちろん、大の巨人ファンでもある。

左)菅野智之投手 中)担当トレーナー 右)中島啓太プロ

年末年始はその憧れのエース菅野投手との合同でトレーニングが実現し、その様子もSNSに投稿した。

2024年は欧州ツアー参戦、五輪代表も目指す

2024年は欧州ツアーのDPワールドツアーに参戦する。さらには今後、米PGAツアー参戦も視野に入れていく。パリ五輪も控えており、意気あがる。
中島:
今はもちろん、チャンスがある立場にいますし、もう一回ナショナルチームで着用した日の丸のユニフォームを背負って試合に出たいと思っているので、パリに行ける様に頑張ります。

■中島啓太(なかじま・けいた)
2000年6月24日、埼玉県出身、日体大卒
6歳でゴルフを始め、東京・代々木高3年時の18年アジア大会ジャカルタで個人&団体金の2冠達成。21年アジアパシフィックアマチュアゴルフ選手権を制し、22年マスターズの出場権を獲得。21年9月のパナソニックオープンでアマチュア優勝。22年9月にプロ転向。23年6月プレーオフの末「ASO飯塚チャレンジド」で初勝利。同8月「横浜ミナトChampionship」同11月「マイナビABCチャンピオンシップ」でツアー3勝、トップ10入りは22試合で17回とシーズンを通して安定したプレーで初の賞金王に。23年度ジャパンゴルフツアー表彰式では最優秀選手賞、賞金ランキング賞、最優秀新人賞など6冠に輝いた。177cm、75kg、A型。