認知症の叔母に“昔のきれいだった頃”を思い出してほしい
この日、松平さんがやって来たのは、朝川武子さん(89)の家。武子さんは20年前に夫を亡くしてから1人で暮らしていましたが、2017年ごろに認知症を発症。いまは介護ヘルパーや姪のしのぶさん(48)が生活のサポートをしています。
(松平さん)「今よかったら、手のトリートメントさせてもらって」
(武子さん)「マッサージしてもらったことないよ、手」
(松平さん)「今からしても大丈夫ですか?」
(武子さん)「いや、いらん」
初対面で緊張しているのか、初めはマッサージを拒んでいた武子さんでしたが、松平さんが施術を行うと…
(武子さん)「うわーものすごく気持ちええわ…」
(松平さん)「よかったです」
次第に顔がほころんでいきます。すると…
(朝川武子さん)「私も美容師していたから、人の手のマッサージや顔のマッサージとかもよくしてた。してたけどな、長いことしてへんなーって思って。これしてもらって今思い出した」
昔は地元で美容室や化粧品販売店を営んでいた武子さん。交通事故で右手をけがし、美容師は続けられなくなりましたが、姪のしのぶさんが七五三の際には着付けや髪の毛を結ってくれたといいます。
(しのぶさん)「髪の毛を日本髪に結ってもらって簪(かんざし)をつけて、七五三のお洋服を全部、事故で失った手でやってくれた。いつもかわいいの見つけたって言って買ってきてくれるのは叔母なので…」
仕事柄、オシャレにはこだわっていた武子さんですが、認知症を発症してからは外見にも徐々に変化が…
(しのぶさん)「化粧品をつけなくなったっていうか、化粧品が減らなくなった。肌がカサカサになったって言っていて、化粧品つけてないからやでーって思うんですけど、言ってもだんだんと…」
今回、少しでも昔を思い出すきっかけになればと、しのぶさんが介護美容のサービスを見つけて申し込みました。