被災地から漁が始まる一方、再開の見通せない経営者の姿も。能登半島地震の被害の全容がみえないなか、くらしを支える経済にも影響が出ています。

まだ日も明けない午前3時半すぎ。地震で被害を受けた漁港に、久しぶりに賑わいがありました。

能登町の宇出津港で水揚げされたのは、まるまると太った「寒ブリ」。まさに、今が旬。漁も今頃、最盛期のはずでしたが、今年は1週間遅いスタートとなりました。

待ちわびた今年初の漁。

「みんな家が潰れたり、俺も半壊しとるみたいなもん。これから頑張っていくしかない」

港の競り場は地面が沈下。今、ここでは競りは行えません。水揚げされたブリは直接、金沢市の市場に送ることになります。

こうした一方、能登地方で盛んな日本酒づくり。地震は地元の産業に暗い影を落としています。珠洲市の酒蔵でも…

櫻田酒造 櫻田博克4代目杜氏
「家族全員は無事なんですけど、酒蔵は全壊で、もう再起は不能な状態ですね」

地震で店舗は大きく崩れ、全壊。酒蔵は中の柱が大きく傾き、今にも崩れそうです。珠洲市、輪島市などの11の酒蔵で今年の酒造りが難しい状況です。

櫻田酒造 櫻田博克4代目杜氏
「一から建て直すとなると、相当な費用がかかりますんで、難しい」

漁業に酒造りをはじめ、輪島塗などの伝統工芸も盛んな北陸4県。日本の今年のGDP=国内総生産がおよそ640億円押し下げられるとの試算もあります。

きょうの日銀の会議でも、北陸の景気判断について、「緩やかに回復している」と据え置きつつも…

日銀 金沢支店長 吉濱久悦氏
「北陸はものづくりの地域として規模は決して大きくないが、全国シェア、世界シェアの高いものを作っている」

地震の影響は織り込めていないとして、経済全体への影響を見極めていく考えを示しました。