新潟県のまとめによりますと、令和6年能登半島地震による被害が確認された文化財は9日の時点で36件で、そのうち、国の指定する重要文化財である「旧笹川家住宅(笹川邸)」は、外壁や瓦が落下するなどし基礎部分にもひびが入っていたため、大事をとって当面の間休館にするとしています。
笹川邸のある新潟市南区によりますと、一部の土蔵で漆喰の剥落がみられたほか、母屋の方でも細部で壁の亀裂や柱の“ほぞ”のズレなどが認められましたが、9日に実施した建築士による緊急危険度の判定の結果では、建物に致命的な被害はなかったということです。
そのため今後は被害箇所の修繕や立入方法などを検討し、再公開に向けた準備を進めるとしています。
被害のあった36件のうち、「旧笹川家住宅」や「新潟県議会旧議事堂」などの重要文化財を含む国指定などの文化財は16件、「北方文化博物館」や「蓮華峰寺大門」などの国の登録文化財が18件、そのほか新潟県指定等文化財が「高森の大ケヤキ」と「相馬御風宅」の2件となっています。
また、世界文化遺産登録を目指している「佐渡島の金山」でも、建物内のひびや道路脇の石積みの崩れなどが確認されているということですが、佐渡市によりますと、被害は小規模なもので、今夏にも判断される世界文化遺産への登録可否判断に影響はないとしています。