「職員の知識が継承していかない」静岡市でもAIを導入

このNECのシステムを2024年4月から導入するのが、静岡市です。

(静岡市児童相談所・大石剛久所長)
「児童相談所で経験を重ねた職員の知識が、継承していかない。体制強化をしても、経験の浅い職員が増えてきている」

静岡市では昨年度、児童相談所が虐待事案として対応した件数が過去最多を更新。対応件数は増える一方で、職員の入れ替わりが激しく、知識や経験が受け継がれないため、AIの導入を決めました。

(静岡市児童相談所・大石剛久所長)
「職員の対応が個の能力ではなく、均一化される。児童相談所の対応が向上していく」

静岡市と同様、職員の経験を蓄積するために2020年、全国で初めて児童相談所にAIを導入した三重県。幼い命を二度と失わないために、AIをどう運用していくのでしょうか。

2023年5月に津市で起きた事件について、三重県の一見知事は次のように述べています。

(三重県・一見勝之知事)
「今回は児童相談所が直接対面で娘の様子を見られなかったが、保育園では見ておられたということで、その情報共有がきちんとできていたら今回の事案も、ひょっとしたら助けられたという思いがないわけではない。最終的に判断するのはAIではなく人間なので、その人間の判断力というものを向上させる必要がある」

行政としてもまだAIについてのノウハウが少ない中、子どもの命を救う現場で、どう活用するのか試行錯誤が続きます。

CBCテレビ「チャント!」12月23日放送より