当然、視界に入って危険と感じた場合はパイロットは着陸を止め、ゴーアラウンド=着陸をやり直すこともあるが、今回は視界に入らなかったのか、今回炎上したA350という飛行機は非常に大きな機体で重量も何百トンもあり、着陸の速度もおおよそ新幹線と同じくらい、時速250キロ前後の速度になる。

かつ、着陸寸前というのは、1分間に200メートル前後の降下率があるので、気がついていても間に合わない可能性もある。

人間でいえば大人と赤ちゃん以上の差

ーー海上保安庁の機体が何らかの原因で滑走路へ移動していた可能性があるが、気づかないということもあるのか。

(海保機からすると)滑走路に入ったら前方を見ているので、後ろから来る飛行機は視界に入らない。

ーー日本航空の機体と海上保安庁の機体はどのくらい差が

いま、明確にはわからないが、相当な差がある。人間でいえば大人と赤ちゃん以上の差がある。

会見でも、機長が”爆発した”というコメントをしたとしているが、衝撃が大きいため「爆発」ということだと思う。いずれにしても何百トンもある航空機が時速250キロで衝突するので、ぶつけられた方が「爆発した」という衝撃を受けるのは当然だと思う。

ーー海上保安庁の航空機は能登半島地震のため物資を送る途中だったといいます。

私もパイロットであった1人として言葉には表せません。非常に大切な任務を持って出発するときに事故に遭われたということですし、やけどを負った機長には回復していただきたいと思います。

ーー日本航空の機体からは全員避難できた。避難はどのように。

これだけの火災が起きた中で全員が脱出できたというのは特筆すべきことだと思います。乗客、乗員ともに落ち着いて速やかに行動できたのではないか。

パイロットも客室乗務員も1年に1回は非常脱出の訓練をしないと乗務できないということになっている。訓練の内容としては、満席の状態で片側だけのドアを使って90秒以内に乗客全員を脱出させるというもの。毎年の訓練の成果が出たということと、落ち着いて誘導できたということだと思う。

ーー日本航空の機体に何らかの問題が起きたということは