今後起こる地震についても、津波の警戒が必要
ーー流体の存在だけではなく、能登半島に非常に多いと言われている、活断層や断層、こういったものと一体化して動くような形で今回の大きな地震になったという考えはお持ちでしょうか?
西村教諭:
その通りですね。流体だけでこれだけの規模の地震は、起こせないんですね。流体が貫入した範囲というのは、ある程度今までの調査によっても、ある程度場所がわかっています。
が、それは能登半島の北東部の大体20キロぐらいの範囲の領域だけで、今回の地震は能登半島の北半分から、さらに東側の佐渡島の方まで、東西100キロぐらいの範囲が震源域となっているので、流体が入った領域だけでは今回の規模の地震を起こすのは難しいので、元々このあたりにあった活断層とかが連鎖して、これだけ大きい地震があったというふうに考えられますね。
ーー気象庁は今の時点で、震源の深さを「ごく浅い」と表現しています。おそらく、ごく浅いと気象庁が言うときは10キロに満たない、非常に地表に近いところで起きた場合に使う表現です。
それから、震源としては能登地方となっていますが、地図上を見ると、かなり海域とギリギリのポイントで起きているので、規模の大きい地震が今後もあるのであれば、津波への警戒や注意というのは引き続き、油断ならないような状況の地震になるのでしょうか?
西村教授:
今回の地震自体でも、能登地方と言っても、海域も含んだその周辺も含めて、地震の震源域となっていますので、そのために今回、大きな津波も来ているわけですね
この後さらに周辺で発生する地震というのは当然海域に含まれますので、そうなってきますと、今後起こる地震についても、津波の警戒が必要だということになります。
ーー大津波警報も出続けていますが、解除までにかなり時間がかかるとみていいでしょうか?
西村教授:
そうですね。日本海側で発生する津波というのは、一度その津波が発生して、陸側に押し寄せてもですね、日本海ってのは、内海になってまして、大陸側ですねロシアとか朝鮮半島の方から、こういった津波がまた跳ね返ってきて今度また日本列島に押し寄せるようなこともありますので、その関係で、一度発生した津波が長時間、日本海の中でずっと続いている、継続するっということも、今までの過去の地震でもありました。
ですので、まだ一両日中ぐらいはですね、普段に比べるとそういう海岸付近の方は、十分注意しなきゃいけないなと思います。