鳥取県岩美町は28日、町の国民健康保険で、2019年度から2022年度までの間、本来、町が負担する必要のない医療費を支払い、その後、医療機関が正しい保険者へ再請求するための事務処理を怠っていたと発表しました。
岩美町によると、国民健康保険(以下「国保」)の被保険者について、就職などにより社会保険へ加入したり転出したりして国保の資格がなくなった人が、国保の保険証を使って受診した場合、町は医療機関に診療報酬証明書(レセプト)の返戻を求め、正しい保険者へ再請求してもらう必要があります。
しかし、2019年度から2022年度にかけて、担当課の職員がその業務を怠っていたため、本来、町が支払う必要のない合計約550万円あまりの医療費が支払われたままになっているということです。
2023年5月ごろ、担当職員の上司による面談で事態が発覚しましたが、その後も適正な処理ができていませんでした。
町は27日までに、県外を除く対象の医療機関にレセプトの返戻を依頼しましたが、2019年度分については、レセプトが返戻できる3年の時効が経過しているため、被保険者へ国保負担分の返還を求めるかどうかなどを現在検討しているということです。
今回の件について岩美町の田中祥一副町長は「この度は、みなさまにご心配とご迷惑をおかけしたこと、町への信頼を大きく失墜させてしまったことを心よりお詫び申し上げます」と謝罪。
再発防止に努めて、町民の信頼回復に努めるとしています。