長泥地区・鴫原良友元区長「解除というのは本当に期待もしているし、12年、俺としてはちょっと遅いのかな」

福島県飯舘村長泥地区の元区長、鴫原良友さん。今年5月、村で唯一の帰還困難区域だった地区の一部で避難指示が解除されました。

鴫原良友さん

2018年、長泥地区では、除染で出た汚染土を再利用する実証事業を受け入れました。当時「苦渋の決断」と話していた鴫原さん。この選択について、次のように話していました。

鴫原さん「答えを出すのでなくて、いま、一生懸命探っているのに、それをいい悪いで言われるのが俺としてはきついなと。なんとかいい方向にと頑張っているのに、それをわかってもらいたい、俺としては…」

汚染土をめぐっては、福島県外に搬出することがすでに決まっていますが、具体的な方向性は、いまも定まっていません。

鴫原さん「特に関東の人には他人事に扱ってもらっては困るなと。福島のことや原発のこと、実証実験のこと、原発のごみのこと、全国に50基もあるんだから、そのごみをどうするんだということをそこまで訴えられればいいと思う」

長泥地区の解除により、今年、県内6つの町と村に設定されていた復興拠点の避難指示は、すべて解除されました。今後は、復興拠点外の行方が、焦点となります。

国は希望する人に限定して、除染や住宅の解体などを進める「特定帰還居住区域」を新たに設定して、避難指示を解除する方針です。

一方、住宅の解体をめぐって、国の対応に疑問符がつく動きがありました。