「最後まで長生きするように…」ファンたちの思い “馬のうんち”でできること

「BafunYasai TCC CAFE」には競馬ファンや、馬が好きな人たちが集まっています。時には競馬芸人のインスタントジョンソン・じゃいさんが来て、競馬予想のオフ会を催していることもあるといいます。集まったお客さんたちからは、馬の将来への不安の声が聞かれました。
乗馬クラブに通う女性(47)
「華々しい馬は種馬になって生涯大事にされるんだろうけど、そうじゃない馬はどうなるんだろうとぼんやり気になっています」
競馬ファン歴30年の男性(56)
「最後まで長生きするように少しでも協力するのは当然だよなと思っています」
母娘で競馬場に通う女性(16)
「こういうカフェがあるということを知って、支援や力になれることがあればと思ってきました」
馬が活躍しているときだけでなく、その後も含めて馬を支援しようという人たちが増えているというのです。
ーーあえて聞くのですが、ペットフードになるというのも他の命のために必要な役割という意見もあるかもしれませんよね。
山本代表
「もちろんペットフードになるというのも、ひとつの行き先といえるのかもしれません。
ただ、競走馬は食用で生産している動物ではなく、競馬という興行のために生産している動物です。競馬で走れなくなったからといって、いきなり活用目的を人間が変えてしまうのも違うのではないかと思っています。
競走馬は人間のために生産して、人間に感動を与えてくれて、大きな経済効果も生み出している動物です。なので、動物愛護という意識ではなく、(引退競走馬の支援は)人間として当然やるべきという意識で私はいます」

ーー人間と競走馬の関係性をどのようにしていきたいと感じていますか?
「馬の社会的価値を上げるということは、やっていきたいことの大きなひとつです。元々、馬は人にとって非常に価値のある動物で、5000年前から一緒にいる動物といわれています。牛や豚よりも利用価値が高く、食用というよりも働き手として使ってきたわけです。
今回、カフェを作るにあたって色々な農家さんの話を聞きましたが、やはり農家さんは、馬ふん堆肥がどれだけ良いものか、農業において馬がどれだけ役立つ動物なのか知っているんです。知っている人は馬がいかに優秀で価値のある動物か分かっているんです。
昔から農業に使われていた馬とサラブレッドは単純に同じではありませんが、引退した競走馬の社会的価値を上げていけば、おのずと馬の居場所も増えていくと思います」