かつて“社会人野球”の名門としてその名を轟かせた「日産自動車・硬式野球部」。経営悪化をきっかけに休部となっていましたが、活動再開が発表され、きょう本格的に始動しました。

きょう、復活の一歩として発表されたのは…

日産硬式野球部 伊藤祐樹新監督
「オール日産で野球部を盛り上げていきたい」

新監督に就任した伊藤新監督。かつて「ミスター日産」と呼ばれた、日産自動車硬式野球部のOBです。

日産硬式野球部 伊藤祐樹新監督
「本当にゼロからのスタートということで、人集めもそうですし、設備も含めてこれからやっていくことになります」

今後、大学生を中心にスカウト活動を始めるほか、横須賀市内の追浜工場の敷地内に新球場を建設します。

日産硬式野球部は1959年に設立。84年と98年に社会人野球の最高峰「都市対抗」に2度優勝しました。

プロ野球選手を次々と輩出するなど、社会人野球の名門でした。しかし…

日産自動車 カルロス・ゴーン元会長
「企業スポーツ活動を休部といたします」

2009年、リーマン・ショック後の販売不振によって巨額の営業赤字となった日産は、硬式野球部の活動を休止しました。

あれから14年。復活の理由について。

日産自動車 濱口貞行常務
「(日産は)次の将来の成長に向けてもう1回、飛躍していくタイミング。負けたときにみんなで応援をして、その悔しさを共有しつつ次は頑張るぞ、みたいな意識が生まれたり、勝ったときはみんなで喜んで次もまた勝ち続けようと思う。そういう一体感」

社会人野球のチームは、親会社の経営状況に左右され、解散や休部に追い込まれる事態が相次ぎ、最盛期の半分以下となっています。

最近は新規参入も増えていますが、日産の野球部復活でさらに「企業スポーツ」の復権となるのか、注目が集まっています。