「寄り添って世界の片隅に生きている…胸に迫る気持ちで撮った」

わが子を抱いた原爆小頭症被爆者の家族の写真です。
重田雅彦 さん
「あんまり明るい話題がない中で、これはほっとする。わたしもうれしかったし…」
これらのフィルムの存在を知った、原爆小頭症被爆者とその家族でつくる「きのこ会」の事務局長がこのフィルムの保存を勧めました。

きのこ会 事務局長 平尾直政 さん
「わたしも見たことがない表情、すでに家もない、再び見ることができない状況を今のわたしたちに示してくれる、たいへん貴重な写真」

取材中、偶然、菅沼さんから重田さんに電話がかかってきました。
重田雅彦 さん
「今ね、取材を受けているのよ」

2人にとって特に思い入れのある写真があります。1966年に菅沼さんが撮影した、自宅にいる原爆小頭症の子どもと寝たまま顔を見せない母親の写真です。
菅沼清美 さん
「親子2人で寄り添って世界の片隅で生きているなって感じ…。胸に迫る気持ちで撮った。(写真は)第三者に見てもらえる形を希望しています」