寒さの厳しさが増すなか、電柱の上で送電設備の修理や点検を行う作業員が「低体温症」で動けなくなった場合を想定した初の合同訓練が、20日岩手県北上市で行われました。
この訓練は、冬の時期の救助技術の向上を目指して、東北電力ネットワークが消防と合同で初めて実施したものです。
合わせて55人が参加したきょうの訓練は、高さ7メートルの電柱の上で、作業員が低体温症により意識を失ったという想定で行われました。
最初は高所作業車を使い、作業員に見立てた人形に金具とロープを取りつけ、慎重に地上へ降ろしていました。
高所作業車が入れない狭い場所での救助を想定した訓練では、「足場ボルト」と呼ばれる電柱用の足場を使って素早く登り、救助の手順を確認していました。
(東北電力ネットワーク花北電力センター 吉田貴 配電工事課長)
「一刻も早く救助隊に来ていただいて救助するというのが大切だと思いますので、私たちができる部分と救助隊が来てやれる部分を分けて活動できれば良いと思います」
岩手県内では2011年に作業員が電柱の上で低体温症により亡くなっています。
東北電力ネットワークは今後も消防と合同で訓練を行い、万が一の事態に備えることにしています。