いよいよ来年に迫ったパリ五輪。その舞台で連覇を狙うのがスケートボード女子パーク・東京五輪金メダリストの四十住さくら(21 よそずみ・さくら、レッドブル)

連覇への秘策についてスポーツキャスター高橋尚子(元女子マラソン選手、00年シドニー五輪・金)が迫った。

自宅でリスザルの「うめ吉」と一緒にお出迎え

和歌山県の自宅を訪ねると出迎えてくれたのは…

高橋尚子:
こんにちは。うわ!かわいい!この子は?
四十住さくら:
リスザルのうめ吉です。

高橋:
いつから飼っているんですか?
四十住:
東京五輪で金メダル獲ったご褒美に飼い始めました。

高橋:
飼い主に似るって言いますけど自分でも似ているなって思います?この活発さ
四十住:
うめ吉の方がジャンプは得意かな笑

連覇への糸口=実はケガの功名から

まず案内してもらったのはフィットネスジム。
半年前から本格的なフィジカルトレーニングを始めたという。

高橋:
なぜフィジカルを鍛えないといけないと思ったんですか?
四十住:
着地とかいろんな細かいところのクオリティを上げたりとかそういう筋肉をつけたりするのが大事かなと思っています。

着地のクオリティをさらに上げるため、足の筋肉を強化していた。
取り入れたきっかけは、右ひざのケガ。スケートボードに乗れない時期、体力を落とさないようにと始めた。それは、競技面でのレベルアップにも繋がったという。

四十住:
今は63キロくらいでいつもやっているんですけど、最初は18キロくらいだったんです。高橋さんもやってみます?

高橋:
じゃあ・・・重い!重い!びくともしない!
自分の体つきが変わったなって思う所は?

四十住:
最初は全然筋力がなくて50とか60だったのが、1か月やったら100を超えたので、筋肉はついたからスピードをちょっとでも出せるようになってきた。下半身がだいぶしっかりしたので踏みやすくなってやっぱり着地が安定したのが一番大きい

着地はこれまでとどう違うのか?キーワードは「ビタ着」

四十住:
東京五輪の540は着地が後ろがついてずらして乗っていたんですけど、今はビタ着(両着)で乗れるようになった。

「ビタ着」とは、全てのタイヤを同時に着地させること。

実際に映像を確認してみると東京五輪の時は、後ろのタイヤが先に着地しています。でも今は完璧なビタ着!筋力が増え、着地の完成度が上がったことで、東京オリンピック以上の高得点を狙える。この「ビタ着」こそ、オリンピック連覇という夢への秘策だ。

パリ五輪では大技540はおまけ!?

高橋:
東京五輪では540(ファイブフォーティ=空中で一回半)が金メダルを掴んだ武器でしたが、次のパリ五輪で540は?
四十住:
540はおまけくらい。

高橋:
おまけ!?おまけって言いましたね。
四十住:
もう多分540をどんだけきれいにしても得意な人には勝てないから540はもうおまけで他のところでクオリティを上げていきたい

高橋:
では、違う所で新たなさくらさんに私たちは驚かせてもらえるわけですね
四十住:
はい!それを目指して毎日頑張ります!

四十住は来年8月のパリで季節外れの“さくら”満開を目指す。


■四十住さくら(よそずみ・さくら) 159cm
2002年3月15日生、和歌山県出身
女子パーク(お椀型のコースを滑り技の難度を競う種目)
兄の影響で小学校6年生の時にスケートボードを始めた。2018年には日本選手権、アジア大会、世界選手権と全ての大会で初代女王に輝いた。
2021年の東京五輪でも大技540を2回成功させ、金メダルを獲得した。