すべての始まりは「不安」だった

2020年には飲酒後にバイクで事故を起こし、依存症の専門病院に入院。そこでようやく自分が「アルコール依存症」だと受け入れることができたといいます。そして、自分を見つめ直す中で気付いたのが。

(山口達也さん)
「自分の棚卸しをするんです、自分を知るために。そこで一つ分かったのが何か、すべての始まりは『不安』だった」

「あの人の方が歌が上手いんじゃないか、カッコイイんじゃないか、話が面白いんじゃないか、他人と比べていたんですね」

知らず知らず飲酒へと走らせた「不安」。誰もが抱える「不安」とどう向き合うか、山口さんは参加者にこう問いかけました。


(山口達也さん)
「変えられないもの、変えるもの。すごく大事な話。変えられないものは何かわかります?過去と他人は変えられない。逆で考えてみてください。自分と未来しかないんです。きょうの自分、今の自分を褒めてあげるっていうので本当に生きやすくなってくる」

山口さんはことし3月、自身の経験を役立ててもらおうと会社を立ち上げ、アルコール依存症を抱える人たちなどをサポートする活動を行っています。講演会の狙いについて主催者側の寺の住職は。

(称名寺 杉浦道雄住職)
「失敗とかそういうことよりも、そっからどうやって再スタートしてるかっていうことがすごく大事になってくると思うので、山口さんがどういう形でもう1歩歩み出そうとしてるのかっていうのは、私たちの力になると」


山口さんは誰もが依存症になりうると強く訴え、悩みがあっても一人で抱え込まず、助けを求めて欲しいとメッセージを送っていました。