中国経済が減速するなか、中国政府は経済に対する批判的な論評を違法行為として処罰する可能性を示唆しました。

スパイ行為の取り締まりなどを行う国家安全省はSNS上に「中国経済を貶めるさまざまな常とう句が次々に登場するが、その本質は『中国の衰退』といううその言説を作り上げ、中国の特色ある社会主義体制を攻撃し続けることにある」と投稿しました。

「国家安全保障を危うくする違法行為や犯罪行為を断固として取り締まり、処罰する」などとして、中国経済に対する批判的な論評を違法行為として処罰する可能性に言及しました。

習近平指導部は今月11日から2日間、来年の経済政策の方針を決める「中央経済工作会議」を行い、そのなかで「世論の指導を強化し、中国経済の未来は明るいと宣伝しなくてはならない」と言及しています。

今回の措置はこの方針を受けたもので、中国経済が減速するなか、政府に対する批判的な意見を封じ込める狙いがあるものとみられます。

ただ、こうした措置は、“経済悪化の事実を隠蔽することにつながりかねない”という指摘や、“言論空間のさらなる締め付け強化になる”との懸念が広がっています。