フィリピン政府は中国と領有権を争う南シナ海で、自国の船が中国艦船から放水砲を発射されるなどしたとして、「不法かつ攻撃的な行為を厳しく非難する」との声明を出しました。

大型の中国艦船2隻がフィリピンの民間船を挟み撃ちするようにして放水しています。

フィリピン政府によると、南シナ海のスカボロー礁付近で9日、フィリピン漁民への支援物資を運んでいた複数の船舶に対し、中国海警局の艦船が少なくとも8回、放水砲を発射しました。

また、中国の退役軍人らが乗ったいわゆる「海上民兵」船が、LRADと呼ばれる「長距離音響発生装置」を使用し、フィリピンの乗組員が一時的な不快感などの症状を訴えたということです。

フィリピン政府は声明で、「漁民への支援活動を妨害することは非人道的だ」としたうえで、「中国側による不法かつ攻撃的な行為を厳しく非難する」と強調しました。

スカボロー礁は、フィリピンの排他的経済水域内にありますが、中国が実効支配を続けています。

両国が領有権を争う南シナ海では、フィリピン船が中国艦船から放水されるケースが相次ぐなど、対立が一段とエスカレートしています。

一方、中国海警局は9日、スカボロー礁の中国名である「黄岩島」という呼び名を使い、「法に基づき、黄岩島の周辺海域に侵入したフィリピン漁業水産資源局の3隻の船に対し取締りを行った」と発表しました。