きのう(12月6日)午後5時半ごろのJR岡山駅前の様子です。西側の空からやってきた真っ黒な大群。上空を何度も旋回しながら飛ぶ「ムクドリ」です。駅前の看板や木などにとまり、騒音やフンの被害も出すことから、ときには「害鳥」として扱われることもあります。そんななか岡山理科大学の教授が、ムクドリの大群を『高周波』を使って寄せ付けないようにする取り組みを全国各地で行っています。

兵庫県のJR加古川駅前に、ムクドリの大群が現れました。

(街の人)「耳にツーンってくるぐらい、騒音レベルですね」

(街の人)「フンが困りますよね。下が汚くて」

地面はあたり一面がムクドリのフンだらけです。
地元住民らによりますと、ムクドリが現れ始めたのは数年前からで、夕方になるとこの状態になるといいます。
今年は特に数が多く、商店街の店主らは頭を抱えているとか。

そんななか、今月(12月)3日、1人の助っ人がやってきました。


岡山理科大学の辻維周教授(辻の点は1つ)が持って来たのは、山梨県の企業と共同開発したその名も「バードソニック」。高周波を発射する装置だといいます。

(岡山理科大学 辻維周教授)「高周波で音のバリアを作って、その中に動物・鳥を入れない」


自らが開発した装置を使って、空港や線路などに寄ってくる鳥やシカ・イノシシなどの野生動物への対策を続けてきた辻教授です。

高知県でムクドリに使用した際には「効果てきめん」だったということです。どんな音なのでしょうか。

(バードソニックの音)

人も少々不快に感じる音がしますが、この高周波こそ動物が嫌がる音だといいます。加古川のムクドリには効果はあるのでしょうか。

(MBS 床並花記者)「午後5時です。遠くの空をムクドリが飛び始めました。いつもとまっている木の近くを飛んではいるんですが、まだとまってはいないようです」

上空を旋回するムクドリ。高周波を嫌がって木にはとまらないのか…と、その時!

(MBS 床並花記者)「うわ、一気に…ムクドリが一気に木にとまり始めました」
500羽ほどのムクドリが木にとまりました。

次第に鳴き声は「バードソニック」が出す音よりも大きくなっていきます。

辻教授は、継続的に調整を続けることで効果が期待できると話します。

(岡山理科大学 辻維周教授)「一発で効くということはほとんど無くて、特にムクドリやハトのような少し小さめで群れをなす鳥というのは、1週間から2週間して少しずつ数が減っていなくなると」

すでに各地の空港で導入が進む「バードソニック」。今後は、岡山空港やJR岡山駅前周辺にも装置を設置したいと考えています。


(岡山理科大学 辻維周教授)「地元ですので、余計に岡山に対して何かやりたいというのはありますし、あとは、岡山空港にも『バードストライク』(鳥が飛行機のエンジンなどに衝突する事故)対策として設置ができれば一番いいかなと思っております。

(岡山理科大学 辻維周教授)皆さんのお役に立つことができればいいなと思って、さらに研究を進めていきたいと思っております」