福島県内の私有地に、大量の土砂が持ち込まれる事態が相次いでいます。西郷村では、住宅のすぐ隣に高さ10メートルもの土砂が積み上げられ、住民に不安が広がっています。

阿部正輝記者「住宅のすぐ隣に高々と積み上げられた大量の土砂。中には石も混じっていて、いつ落ちてきても不思議ではないように思える」

周辺の住民「とても心配で夜も眠れない状況」

西郷村真船地区の私有地に積み上げられた土砂。高さは2階建ての住宅を越え、およそ10メートルにもなり、上のほうには横に走る亀裂もみられます。近くの住民によりますと、今年8月ごろから、関東ナンバーのトラックが土砂を運び込み始めたということです。近くには、住宅が点在していて、住民からは不安や対策を求める声が広がっています。

周辺の住民「崩れたら自分の家まで(土砂が)来ると思う。一番早いのは県条例を作って規制してもらうこと」
周辺の住民「ここに住んでいる以上、安心して住める状況を作ってほしい。撤去が一番だが、できないなら対策をしてほしい」

西郷村では、これまで村内2か所の私有地に大量の土砂が積み上げられているのが確認されています。村によりますと、いずれも県外の異なる業者が残土処理の目的で運び込んだとみられるということです。

このように、大量の土砂が県内の私有地に運び込まれるケースは、西郷村のほか、小野町や矢祭町でも確認されているということです。住民が土砂の崩落を不安視していることを受けて、福島県の内堀知事は対応を急ぐ考えを示しています。

内堀知事(4日の定例会見)「土地の利用状況等をしっかり把握をした上で、関係部局が連携をして事業者等への協力を求めるなど、必要な対応を早急に検討していきたいと考えております」

県は今後も現場の監視を続けていくとともに、盛り土規制法の適用に向けた準備を進めることにしていますが…。