野球界に大きな波紋を呼んだ楽天・安樂智大選手によるハラスメント問題で、NPB=日本野球機構は4日、榊原定征コミッショナーの談話を発表し、12球団に対しハラスメント防止の徹底によるコンプライアンスの遵守を指示したことを明らかにした。具体的な対応として、選手が相談できる複数の窓口の設置や、来年の春季キャンプでの全選手を対象にしたハラスメント防止講習会を実施する事にしている。

これに先立ち、チームの年長者である田中将大投手はSNSで「ハラスメントは許されないことです。意識が甘かったと反省しています。」と反省の意を示した。

三木谷浩史オーナー

また三木谷浩史オーナーもSNSで被害にあった選手や関係者などに謝罪した上で、「仕組みづくりとハラスメントに対する教育を強化するとともに、よりオープンなコミュニケーションができる雰囲気づくりに取り組みたい」との考えを示した。

【田中将大投手 本人SNSより】
「この度は皆様にご心配をおかけし、申し訳ございません。 ハラスメントは許されないことです。球団のみならず、 自分もチームの年長者として、もっと後輩たちの様子に気を配り、気軽に相談され、問題があれば率先して注意すべきであった、意識が甘かったと反省しています。 今回の問題については各選手と球団がしっかり話をしていると聞いていますが、 自分としてはもう一度チーム一丸となってペナントレースを戦っていくことのできるよう、また、ファンの皆さんに安心して応援していただくことのできるよう、できる限りの力を尽くしていく覚悟です 。」

【三木谷浩史オーナー 本人SNSより】
「安樂選手の一件に関しては、森井社長から事態の報告を受け、しっかりと全スタッフ、全選手にヒアリングをするように依頼をし、その結果保留者名簿には入れない決断をさせて頂きました。ロッカールームや選手間でのやり取り等に関して、球団として油断があり、被害にあった関係者、選手、ファンの皆様にお詫び申し上げます。今後は、このような事態を招かないよう、仕組み作りとハラスメントに対する教育を強化するとともに、よりオープンなコミュニケーションができる雰囲気作りに取り組みたいと思います。」

【ハラスメント根絶について 榊󠄀原定征コミッショナー談話】
「今回の楽天球団における事案は、プロ野球選手である前に社会人としても許される行為ではありません。ハラスメントは個人の人格や尊厳を傷つけるばかりか、選手やコーチそしてプロ野球に携わるすべての関係者に悪影響を及ぼす問題です。それを見過ごすことは許されません。本日の実行委員会で改めて12球団に対し、ハラスメント防止の徹底によるコンプライアンスの遵守を指示いたしました。具体的な対応として、各球団内に選手が安心して相談・通報できる複数の窓口を設置します。また、来年の春季キャンプ期間中に、全選手を対象にしたハラスメント防止講習会を実施して、より一層のコンプライアンス意識の向上を図ります。選手、スタッフ、球団職員らが互いに尊重し合う健全な環境づくりに取り組み、ファンの皆さまのご支援に応えられる野球界になるよう、NPB、12球団で一層の努力をしてまいります。」