“コロナ禍の最後の課題”といわれるコロナ後遺症治療の最先端の現場を取材。「ブレインフォグはなぜ起こるのか?」後遺症発症のメカニズムを解明する臨床研究の現場にカメラが入りました。後遺症患者の脳に何が起きているのか?
コロナ後遺症 最先端の治療とは 脳の働きを活性化

神奈川県・川崎市の聖マリアンナ医大病院。コロナ後遺症患者への最先端の治療を行う病院の一つです。
その治療の一つ「rTMS」は、特殊なコイルで脳内に電磁波を発生させて、脳の働きを活性化する治療法。この日治療に訪れたのは、神奈川県に住む20代の女性。1年前から、倦怠感や、頭に霧がかかったようにぼーっとする症状、いわゆる「ブレインフォグ」に悩まされています。

コロナ後遺症患者 女性(20代)
「最初は倦怠感がすごくて、ベッドからも動けない感じがずっと続いて、仕事を続けることが厳しくなって、3月で療養に入りました。言葉が(頭に)入ってこない。何かを聞かれても、とっさに答えられないとか、内容が理解できないことがすごくつらかった」
佐々木医師「(rTMSを操作しながら)ちょっと強くしたバージョンで 1秒ぐらいいきますよ。いけそうですか?」
女性「ちょっと痛いかも」
佐々木医師「じゃあ、前回と同じでいきます」
この病院では、2021年の秋から、コロナ後遺症の治療に活用しています。この治療法で、300人以上の治療にあたった佐々木医師は「後遺症の一部は、脳の血流の低下が原因で起きている」と指摘します。