「後遺症患者を治してこそ“コロナ禍が終わった”と言える」足りない理解・支援…

山本 恵里伽 キャスター:
「後遺症患者を治してこそ『コロナ禍が終わった』と言えるんだ」という言葉を、本当にその通りだなと思いました。今回のVTRを見て、私は初めてコロナ後遺症の治療方法というのを目にしました。
コロナ重症患者病棟を継続取材する調査報道担当
TBS 社会部 神保 圭作 記者:
紹介した「rTMS」という治療方法。他にもいろんな治療法があるのですが、もちろん効果はありますがそれは対処療法になっていて、未だ根本的な治療方法が確立されていないのが現状。

山本キャスター:
まだわからないわけですね。そもそも何をもって「コロナ後遺症」と診断されるんですか?
神保記者:
これがなかなか難しくて、後遺症にはいろいろな症状があって、その症状の程度に差があり、グラデーションがあるわけです。ある病院だと1時間以上問診をして、他の病気の可能性を一つ一つ潰していって「コロナ後遺症」と診断している、と話すお医者さんもいます。

山本キャスター:
相当時間かかりますよね。そこですぐに診断されないと、患者さんはどうなるんですか?
神保記者:
コロナ後遺症の診断をされた患者さんは、いろんな病院を転々とするケースがあって、そこでお医者さんから心無い言葉を言われて、精神的なものだったりとか「気持ちの問題でしょう?」と言われてたりする。非常に傷ついていく、そんな患者さんが多い印象です。
山本キャスター:
そのブレインフォグというものも「頭の中にモヤがかかったようにぼんやりとした状態」っていまいちピンとこないですし、見た目にもわからないですよね。
喜入友浩キャスター:
説明しづらいし、理解されにくいということですよね。調べますと、コロナに感染した人のうち、こうした後遺症に苦しんでいる人が1~2割いるということです。ただ正確な数や患者さんの数というのはまだわかっていない状況です。病院に行っても、診断が下りないというのは、こんな苦しいことはないですね。

神保記者:
いろんなコロナ後遺症の患者さんを取材させてもらいましたが、周りに理解されない。自分たちにしかわからない症状なんです。なので家族にも勤めてる会社にも理解されなくて、非常に傷ついてる方が多い。その中でやっぱりコロナ後遺症の誹謗中傷を受けたりする方々もいるので、非常に傷ついて精神的にも落ち込んで、でも原因はわからないし、体調が良くならないので、さらに落ち込んでいく人が多い。
あともう一つ、支援の手から取り残されていると感じている人が多く、以前取材した女性は、もう1人で起き上がることができない、寝たきりに近い状態。介護の申請をしたけれど、行政から支援を得られなかった。それで「国から取り残されている」と感じる人も多い。
山本キャスター:
支援策や社会の理解...本当に課題が多いですね。
神保記者:
コロナ後遺症は他のウイルス性の感染症と比べても、後遺症の期間が長いと言われています。深刻だからこそ、行政や国の支援策が早急に求められていると感じています。