“凱歌をあげるスタジアム”

まず、覚えておきたいデータがある。エスパルスは、これまでに国立で計45試合を行ってきた(SBS調べ)。その数は、ホーム・IAIスタジアム日本平に次ぐ数字だ。気になる通算成績は、18勝20敗7引き分け(PK戦は引き分けに含む)と悲観するような数字ではない。

かつて、“シルバーコレクター”と呼ばれたオレンジ軍団だが、国際大会を含め、公式戦であわせて6度の優勝を飾っている(Jリーグステージ優勝1回、ナビスコカップ1回、天皇杯1回、スーパーカップ2回、アジアカップウィナーズカップ1回)。


そのうち、国立競技場でカップを掲げた回数は4回、スタジアム別では最多だ。少々強引なデータもあるが、エスパルスにとって、国立は決して“悔し涙を流す場”ではなく、“凱歌をあげるスタジアム”であることを歴史は示している。国立こそ、栄冠を勝ち取る聖地。そう胸に刻み、決戦の時を待ちたい。

2023年12月2日、J1昇格プレーオフ決勝。草創期からの宿敵ヴェルディ相手に勝利し、生まれ変わった“ナショナルスタジアム”でシャーレを掲げた時、エスパルスの新たな時代が始まる。