■物価は上がるのに賃金は上がらない訳とは…
国山ハセンキャスター:
ここからは賃金が上がらない理由についてみていきます。
物価と実質賃金の10年間の推移を示した試算です。消費者の「実感」に近いものにするため、社会保険料などを含んだ試算が出されていますが、「実感」に近い物価は10年間で15.4%ほど上がっています。これを基にして、青いグラフの「実感」に近い物価に基づく実質賃金をみてみると、11%ほど下がっています。
星さんによると、賃金が上がらないワケは大きく分けて2つ。
▼企業の利益蓄積(内部留保)と▼進まない雇用の流動化が関係しているといいます。これはどういうことでしょうか?
TBSスペシャルコメンテーター NEWS23 星浩さん:
『企業の利益蓄積(内部留保)』は500兆円近くにのぼっているが、企業は何かあった時のために利益を蓄えている。お金を貯め込んで株主には分け与えても、社員の給料にはつながっていない。

『雇用の流動化』については、働き方改革ということで転職をすすめてもらいたい。それによって企業の賃金引き上げ競争に繋がれば、全体の賃金が上がるはずだということです。しかし、働き方改革といっても具体的な策が進んでいない。
いずれも政治の判断で賃上げができるテーマなんですけど、なかなか進まず、今回の参議院選挙でも物価高の議論はしているが、具体的に賃上げするというところまで議論が深まっていない。あと1週間あるので、賃上げの具体策について議論してもらいたいと思う。