止まらない物価高への対策は参議院選挙でも争点の一つになっています。長年値段が安定し、"価格の優等生"ともいわれる「豆腐」にも値上げの波が・・・豆腐店に、その苦悩を聞きました。

■子育て家庭からの悲鳴…圧迫する家計簿

2人の子どもを育てる主婦の辛夏榮さん(41)。


辛さんは物価の高騰に頭を悩ませていました。
6月の家計簿を2021年と比べてみると…

辛さん
「食費だけでだいたい平均1万円くらい増えている」


さらに…

辛さん
「娘がスイミングスクールに通ってるんですけど、一律1000円くらい値上げするという手紙をもらっています」

ガス代の高騰でスイミングスクールの月謝が1100円値上がりに。一方、収入はこの3年で月に1万4000円上がりましたが、長男が産まれたこともあり、支出は7万7000円も増えているといいます。


辛さん
「このまま物価もずっと上がり続けると、子供がいると、さらにその影響も大きくなってくると思うので、ますます少子化に繋がるのではないかなと思います」


■とんかつ店 パン粉もラードもサラダ油も値上げ

物価高はあらゆる業界を直撃しています。1977年創業の「とんかつ末吉」。国産の銘柄豚を厳選したラードと油をブレンドしてジューシーに揚げるのがこだわりです。


とんかつ末吉3代目 末吉隆太郎さん
「まずパンですね。うちはパンからパン粉を作りますので」

まず、パン粉として利用する食パンが1割アップ。

とんかつ末吉3代目 末吉隆太郎さん
「こちらがラードなんですけど、これもだいたい2割ぐらい上がってます。そしてこれが一番値上がりしてますね…」

最も高くなったのがラードと一緒に使うサラダ油です。以前の2倍以上になったといいます。


コロナ対策で客席を3割減らす中、売り上げはかつてのようには期待できません。仕入れ値の高騰は経営を圧迫しますが、それでも値上げは見送っているといいます。

とんかつ末吉3代目 末吉隆太郎さん
「値上がりしたっていう事実が(客足が)遠のいてしまう一因にはなってしまうので、そういう意味でもあんまり値上げはしたくない。今のように来ていただけるうちは、値段もこのまま頑張りたいなという思いは強くあります」