■「請求書が怖い…」廃業もよぎる老舗豆腐店 スーパーとの値上げ交渉も
長年、安い値段で安定し、“価格の優等生”と言われてきた豆腐にも限界が来ています。

大豆の甘味が濃厚な、おぼろ豆腐が人気の千葉県成田市にある佐藤豆腐店。創業から70年、家族経営で豆腐を作り続けてきましたが…
豆腐店
「もともと儲かってなかったのに、余計…もう請求書が怖いです…」
店では国産と輸入の大豆を使っていますが、輸入大豆は、コロナ前は30kgで3200円ほどだったものが約5000円に。国産と変わらない値段になってきているといいます。

容器やフィルムも4月に値上がりしたばかりですが8月に再度10%の値上げが伝えられました。
揚げ物用の油も電気代もガソリン代も高騰し、ついに4月、交渉の末スーパーでの販売価格を11円上げてもらいました。しかし、これ以上の値上げは難しいと感じています。

豆腐店
「スーパーでおろしていて(お客さんから)「高っ!」と結構何回か言われたことがあったので…買ってもらえなくなるほうが怖くて」
スーパーに、値上げ交渉をするのも簡単ではありません。
豆腐店
「やっぱり知ってる油揚げ屋さんは(値段を)上げていないです。(スーパーに)もういいですっていわれかねないので…」
1丁11円の値上げでは、原材料費の高騰は全くカバーできない状況…。
“質だけは落としたくない”と踏ん張ってきましたが、廃業が頭をよぎることもあるといいます。
豆腐店
「怖いです。いつも怖いです。夜中起きてどきどきしていることがありますね。怖いなって思って…」

■生活困窮者増加 食料配布を求めて長い列
6月中旬、「TENOHASI」が行った食料配布の場に多くの人が集まっていました。NPO法人「TENOHASI」は生活困窮者向けに月2回(第2/第4土曜日)食糧支援を行っています。

ボランティアスタッフ
「身なりのきれいな人が増えましたよね。親子連れもたまに」
飲食店で働く24歳の男性は少しでも生活費を抑えようと訪れたといいます。
飲食店勤務の男性(24)
「コロナの影響で会社の経営も悪化してきて、そのぶん人件費削減で今まで通りに長く働けなくなってしまったので」
この日、用意した500食分はほぼすべてなくなりました。NPOの代表は国の支援策が必要だと訴えます。

NPO法人「TENOHASI」 清野賢司代表理事
「生活相談に来るような人も、前は本当に60代か70代が中心だったんですけど、今日はもう30代、40代が中心でしたね。有効な政策を打ち出してほしいなと思います」