糖尿病と向き合う患者は、この事態をどう捉えているのでしょうか?

松本市に住む栁沢芳則(やなぎさわ・よしのり)さん85歳。

およそ50年前、糖尿病と診断されました。

記者:
「1日何キロくらい歩く?」
栁沢芳則さん:
「大体3キロくらいしか歩かないけれど…」

症状を悪化させないため続けてきたのが、適度な運動。

そして、何より気を付けてきたのが食事です。

栁沢さん:
「食事を3度3度記入したんですよ。きょうは2000カロリーとか1700とか」

毎日、欠かさず、記してきたのが、朝、昼、晩の食事の内容と、カロリー摂取量。

日常生活に細心の注意を払い、病気と向き合っています。

栁沢さん:
「薬を飲んでる人は不安だと思いますよ、足りなくなれば。そんなことまでしてダイエットなどしなくてもいい。患者さんに足りないほど無駄に使ってもらいたくないね」

『GLPー1』の需要の高まりを受けて、国も糖尿病患者への供給が滞ることのないよう、適正な使用などを求めています。

すずき内科クリニック・鈴木尚美院長:
「もっと増量すれば効果が出るのに、ちょっとここで止めておくしかないという患者さんはいますね。選択肢が狭まっていて、使いたいけど使えないから、どうしようかっていうのがあります」
患者:
「先生の診療と薬のおかげで今がありますので。ちょっと足りなくなると困っちゃうかなってありますね。やっぱり病気の方優先にしていただきたいので」