「核兵器禁止条約」の2回目の締約国会議がニューヨークで開幕し、現地を訪れている長崎の被爆者・木戸季市さんは、唯一の戦争被爆国でありながら会議の傍聴をも見送った日本政府を批判しました。

会議は27日、ニューヨークの国連本部で開幕しました。
おととし発効したこの条約は、核兵器を『非人道兵器』と位置づけ、全面的に禁止した初の国際条約で、これまでに93の国と地域が署名していますが、核保有国と日本などの核兵器依存国は参加していません。

初日の本会議では、長崎の被爆者で日本被団協 事務局長の木戸季市さんが被爆地の思いを訴えました。
日本被団協 木戸季市事務局長:
「核戦争が起これば何もなくなった真っ黒の街、死体の山、死の世界が残るだけです。人間として認めることのできない絶対悪の兵器です」
ウクライナや中東ガザで続く軍事衝突で核戦争が起きる危機が高まる中、アメリカの同盟国であるオーストラリアやノルウェー・ドイツ・ベルギーのNATO加盟国は『オブザーバー』としての参加を表明し、核軍縮に協調していく姿勢を示しています。

日本被団協 木戸季市事務局長:
「(日本政府に)オブザーバー参加しろと言ってるわけですけれど、議論にも参加しない」

木戸さんは本会議後のパネルディスカッションでオブザーバー参加も見送った日本政府の姿勢と根底にある「核抑止」の考えを批判し、武力ではなく対話の重要性を訴えました。
30日には長崎市の鈴木市長らも演説を予定しています。