アメリカ海軍は、南シナ海の西沙(パラセル)諸島周辺でミサイル駆逐艦を航行させる「航行の自由」作戦を実施したと発表しました。中国軍は「不法侵入だ」と主張し、反発しています。

アメリカ海軍第7艦隊が発表した声明によりますと、中国が実効支配しベトナムなどと領有権を争っている南シナ海の西沙(パラセル)諸島周辺で25日、アメリカのミサイル駆逐艦「ホッパー」が「航行の自由」作戦を実施しました。

中国などは、この周辺海域を軍艦が航行する際には許可を取るか事前に通告するよう要求していますが、これについて第7艦隊は、要求は国際法違反であり、沿岸国の安全を害さない限り領海を通航できる無害通航権は制限されないと強調しています。

一方、中国軍で南シナ海を管轄する南部戦区はこれに先立ち、25日に報道官談話を発表し、アメリカのミサイル駆逐艦が「中国政府の承認を得ずに中国の領海に不法侵入した」と主張。「海軍と空軍が法に基づいてアメリカの艦船を追跡し、監視と警告を行った」ことを明らかにしました。

その上で、アメリカ軍の行為について「中国の主権と安全保障に対する重大な侵害行為」だとし、「アメリカは南シナ海における平和と安定の“最大の破壊者”だ」と非難しています。