再会とレッスン

体育館に掲げられている校歌

 吉野さんが、故郷を離れても、危険を冒しても、星友館中学校で学びたい理由の一つは、校歌の一節にあります。

「雪の中で芽吹く種よ その命は たゆまず明日を夢見た 未来の光…」

(吉野さん)「校歌のこの部分、自分のことと重なるんです。吹雪の日に車椅子をこいでいて、春になったら少しは楽になるかなと思いながら、毎日を送っているんです」

(左)半﨑美子さん (中)吉野さん/9月4日

 歌詞を書いたシンガーソングライターの半﨑美子さんは、札幌市から校歌の制作を依頼された後、吉野さんら当時、札幌遠友塾に通っていた生徒やほかの夜間中学の生徒、教職員らに「夜間中学とはどんなところなのか」「生徒のみなさんはどんな思いで通っているのか」「なぜ、就学時に学ぶことができなかったのか」「今、何を感じているのか」等々、丹念に聴き取りをしました。その時の出会いがきっかけで、吉野さんは半﨑さんのコンサートに出かけるようになりました。

 そして9月に半﨑さんは、去年春の開校式以来、久しぶりに星友館中学校を訪ね、吉野さんと再会しました。