「車を売る仕事をしたい」

(左)サフィウーラさん (中)父 (右)叔父=来日直前の記念写真(カブール・去年)

 サフィウーラさんが初めて来日したのは、去年5月のことです。仕事で既に14年前に来日していた父を頼って、「勉強したい」と思い来日しました。家族は母と弟が3人、妹も1人もいますが、カブールに残っています。

 「勉強したい」

 「カブールでは勉強できないの?」と尋ねると、「政治が変わってから(*注1)、学校が閉鎖されました」とサフィウーラさんはたどたどしい日本語で話し、目をそらしました。

 サフィウーラさんの一日は、朝起きたら、父と自分の朝食を作ることから始まります。そして午前8時から午後1時までの5時間、苫小牧市内にある自動車など大型機械類の解体工場で働きます。その後、一旦、自宅に戻ってお昼を取り、それから自転車をこいで苫小牧駅に向かいます。

(私)「疲れるでしょう?」
(サフィウーラさん)「どうして?疲れないよ、ぜんぜん!」
(私)「どうして勉強したいの?」
(サフィウーラさん)「中学2年までカブールで勉強しました。とても楽しかった。その勉強を続けて、将来、世界中を飛び回って、車を売る仕事をしたいから」

 サフィウーラさんの父は、現在、苫小牧市内で自動車販売会社を経営する社長で、その仕事を手伝いたい思いもあるそうです。