「全体に繋がるストーリーのなさ」が国民にはわかりにくい
ーー自民党本部から経済対策の提言を出されましたが、あの時にきちんと説明して、なおそれを受けて岸田政権がきちんと説明してくれればわかったのですが、なんか急に出てきたという感じ。
田村憲久 元厚生労働大臣
私らも、もうちょっとストーリーをつくった方がいいと思うのです。全体に繋がるストーリーがなかなかないものだから、国民の皆さんも何か「思いつき」みたいなことと思われているのですよ。全部、話は繋がって、例えばこの異次元の少子化対策っていうのは、これはかなり先の話なのですよね。これは、今やったって10年後に解決する話じゃなく、10年経っても産む世代の子供たちがどんどん減っているわけですから、出生率が2になっても減り続けるのですよね。
2070年とかそれぐらいになって下げ止まって人口を維持していくっていう話になっていくのだと思うのですが、それまでは減ってくので、まずはそういう長期的なものを出された。でも、それ以外にも実は減っていく人口、特に若年層が減っていく。現役世代と言った方がいいかもしれない。その中で高齢者がまだ増えるんです、この20年で。
それで社会をどう維持するかっていう「異次元の社会モデル」みたいなものもこれから示していかなきゃいけないと思いますし、経済が成長しないと社会維持できません。そういう意味では働く世代の人たちが減っていく中で経済成長って難しいのですが、それを「異次元の経済成長モデル」っていうものを示していかなきゃいけませんし、そういうことを実は、予算委員会で総理の方にお願いをさせていただいたのですけれども、わかりやすいいろんなストーリーがあって、その中に国防もあるのです。
そのためには戦争になっちゃうと大変ですから、相手に仕掛けさせないっていうだけのこちらが力を持たなきゃいけません。戦争をしないような社会にするだとか、それから認知症対策というのも、これもこの間、総理がおっしゃられましたけれども、これはもうどんどんどんどん高齢者が増えていきますから、レカネマブっていう認知症の予防薬が出てきましたけれども、一定程度は増えてきますから。その中においても社会に負荷があまりかからない、それでいて認知症の方々が自己実現ができるような、権利を守れるような社会を作らなきゃいけないっていうので、認知症対策だとか。
ストーリーとしては人口が減っていく社会の中でこの国をどう維持発展、そして国民の皆様に安心を持っていただけるかっていう大きな枠があって、その中のそれぞれのピースなのですよね。















